水平線の向こうに⑥

アツシは頭がハッキリせずソファーで朦朧としている。三十分ぐらい経っただろうかキキーバタンと車がトマリ、ドアを閉める音がしてハッとした。ドタドタ歩きながら          隆一君、全く‼️イキナリだなあ‼️一体なんの用事だい⁉️       と言いながら男の人がリビングに入ってきた。アツシはゆっくりソファーから起き上がり挨拶しようと顔をあげると、その人はアツシを見て口をあんぐり開けて後退りして  

き、き、君………なんでここに…………どうして…………

とシドロモドロに小さな声で言った。   ジョンが       オー‼️ダッド、ハワユ⁉️ミーと同じ顔のクールガイが家の前にイタンダヨ〜〜‼️         と満面の笑みで父親をハグした。父親は固まっている。隆一がアツシを見て

紹介しよう。父の   押田   章一だ。私は長男の押田    隆一、こちらは次男の押田   隆二。通称ジョンだ。君名前は⁉️              アツシです。 田所  敦です。   と言うと隆一は、ヤハリと言う表情で頷いた。

  オー‼️アツシ‼️ソークール‼️でもジョニーの方がモットクールだよ〜〜‼️               ジョン黙ってろ。        Yes、お兄様。        アツシ君、なんで卸売市場にいたんだい⁉️        と言う会話の後、アツシはため息をついて話し始めた。

僕、ここ半年ぐらい母親に良く殴られたり蹴られたりしたんです。学校の身体検査の時アザが見つかっちゃって担任が家に来たら、母親や一緒に住んでる男が物凄く怒っちゃって叫びながら追いかけられたんで逃げてヒッチハイクして卸売市場に着いたんです。そこでも警察に捕まりそうになっちゃって…………木崎さんって人がちょうど、誰かと自分を間違えて車に乗せてくれて着いたらこの家の前でした。       と、ジョンをシミジミと見つめた。 

オー‼️その誰かはミーのコトネ〜〜‼️イッツアメージング‼️            とジョンは大きな声でいい1人で大爆笑した。

そうか………そんな事があったのか…………隆一は哀しそうに下を向くと、章一に向かって、         君、君がした事はこんな展開になっているんだ。どうやって責任を取るつもりなんだ‼️           と低く太い声で言った。章一は鯉の様にパクパク口を開け、目は宙を泳いでいた。           チッツ、しょうもないヤツだ。        隆一はアツシの隣に座るとアツシの手を握りゆっくりと言った。

アツシ君、君は僕の弟だ。

アツシはあまりの事にドッキリカメラかと思い辺りをキョロキョロ見回すと、ジョンと目が合った。ジョンは、物凄く大げさに目を見開き両腕を広げ

オーー〜〜‼️マイゴー‼️ジーザス‼️アンビリーバボ〜〜‼️        と言い       ユーアーマイブラザー‼️オー‼️         と涙を流してアツシをハグした。アツシはウンザリした顔でなすがまま、この人たちは一体何を言ってるんだろうか………ヤッパリ、ドッキリだよなぁ〜〜近頃は手が込んでいるナ……と思っていた。その気持ちを見透かした様に隆一が話かけた

アツシ君、信じて無いね。マア、仕方の無いことだ。詳しい話は長くなるし、祖父を呼ぶ必要がある。今、丁度お昼だから何か食べよう。食べた後、風呂に入り洋服を着替えたまえ。その頃には祖父も到着するだろう。

隆一が家政婦さんみたいな女の人に何か言うとしばらくして美味しそうな料理がゴージャスなテーブルの上に並べられた。料理の中心に大きい丸い桶に入った  寿司   が美味しそうに並んでいた。アツシが目を見張ると、真ん中の寿司は我が社の商品だ。ユックリ食べよう。と隆一が言うと、    オー‼️マイブラザー、早くおいで一緒に食べよう‼️レッツチュゲザー‼️ プリーズ‼️      とジョンが叫んだ。

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