水平線の向こうに④

アツシは周りの喧騒で目が覚めた。

ナンダ、マダ暗いのに………    

もうすぐ夜明けだと思われるけど、チョット離れた場所はスゴイ活気で溢れていた。イロイロな物の競りがスタートしてる。アツシはノロノロと起きるとトラック兄さんのジャンパーをカバンに押し込み抱きしめながら、ソーッと近ずいた。

オリャ〜〜‼️ニイちゃんジャマだよ‼️   そこどきな‼️         スゴイ人混みだが、アツシは興味を抑えきれず人混みをぬって、チョコマカと動きまくった。大きい魚をさばいている場所に来た時、背後から肩を叩かれ           押田の坊ちゃん⁉️なんでこんな処にいるんでい⁉️         と声をかけられた。

アツシは超ビックリして 振り向かずに       オーオオオオオ‼️ゴメンナサイ、ゴメンナサイ‼️     と叫び走って逃げて、花を売ってる場所まで移動した。

アー、ビックリした〜〜‼️     オシダノボッチャンって誰の事だろうか⁉️  

ドキドキしながら花を見ていると、38歳ぐらいの女の人に          オイ、君、何かようかい⁉️なんでこんな所にいるんだい⁉️      と声をかけられた。アツシは思わず、       あ、あの親に殴られるんでヒッチハイクで逃げて来たんです…………      と言ってしまった。言った後、直ぐ後悔した。この人が警察に言ったら連れ戻されるかもしれない。

女の人はアツシを疑りぶかくジッと見て、     飯食うか⁉️      と聞いてきた。思わず          は、ハイ       と答え女の人について行ってしまった。女の人はアツシにカツカレーを奢ってくれた。あまりの美味しさに脇目も振らずアグアグ食べて、水もジャンジャン飲んで一息ついたらトイレに行きたくなり       あ、あのトイレ行ってもいいですか⁉️        アーいいよ行っといで。          という会話の後、アツシはカバンを握りしめトイレに入った。スッキリしてドアを開けた瞬間、お巡りさんに       君、チョット話を聞きたいんだけど       とイキナリ言われた。 

ヤバイ、ヤバスギル。捕まったら、このまま家に帰される。でも、振り切れない…どうする⁉️      アツシはすべての能力を使って考えた‼️       さっきの………トイレ…………窓があった……………        アッツ、お腹いた………    スゴイシカメッツッラをしてお腹をおさえた       君、大丈夫かい⁉️      お巡りさんは慌てたような困った顔になった。

もう一回………と、トイレ…………        お巡りさんはコクコクうなずいた。アツシは、ヨロヨロ、トイレに入ると素早くカギを閉め、大きな声で     うーん、うーうー       と言いながら、小さい窓を開けると便器に乗り強引に窓から乗り出し建物の裏側に飛び降り全速力でもときた方へ走って行った。

お巡りさんはかなり長い間、トイレの前で待っていたが、花屋さんに    おかしいよ‼️     と言われ、ドアをドンドン叩いて君いるのか⁉️オイ‼️返事しなさい‼️           と、 しばらく叫んでいた。お店の人が鍵を持ってきてドアを急いで開けたが、もぬけの殻だ。お巡りさんはアツシが逃げた窓をボウゼンと見つめ我に返ったように外に飛び出た。

アツシはさっきの魚売り場まで来ると先程と打って変わって人もまばらでゆったりとした雰囲気だ。ひときわ身なりのいいおじさんが近付いて来て           オ‼️押田の坊ちゃん⁉️      と又大きな声で言ってきた。アツシは警察に捕まるよりマシだと考えて咄嗟に             スミマセン、社会見学だと思ってきたけど迷いました。申し訳ないけど家まで連れて行ってくれませんか⁉️           と出来るだけ丁寧に言ってみた。すると、身なりのいいおじさんは満面の笑みで        オーオオオオオ‼️お安い御用デスヨ‼️さあ、こちらへどうぞ‼️       と言ってアツシを自分の車に連れて行った。黒い車。エルグランドってエンブレムがついてる。

車に手をかけた瞬間に      オイ‼️そこの君‼️待って‼️       とお巡りさんが叫んでるのが見えた。アツシは素早く後部座席に乗って、身なりのいいおじさんに        父が心配してると困るので早く出してくださいませんか⁉️       と言うと       お任せください‼️        身なりのいいおじさんは満面の笑みでアクセルをふかし発車した。お巡りさんが呆然と立ち竦んでいるのを見てホッとして          もうここには戻れない……………      と口の中で呟いた。

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